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視点とは、主体にとって先天的なものであり、主体の出発点である。

今回はジル・ドゥルーズの「視点」についての考え方。
視点というワードはブランディングにおいても重要である。
さて、我々は視点の本質について本当に理解しているだろうか。
「ものごとを多角的な視点で見よ」
なんてことは多く見聞きするものではあるが、
「多角的な視点」とは、どこに存在するのであろうか。
そしてその視点が一体何を生み出すのか。
そんな話である。

 

ドゥルーズにとって、視点は単なる外部からの見方ではなく、主体そのものを形成する要素である。
つまり、主体は視点によって形作られ、それによって個別化される。
視点がなければ、主体は存在し得ない。

 

視点が主体を個別化するというのは、視点がその主体を他と区別し、特異な存在として定義することを意味する。
主体は自らの視点を通じて世界を経験し、その経験がその主体の独自性を形成するのである。

 

主体は固定的な存在ではなく、さまざまな視点や経験の集合体として捉えられる。
視点を通じて主体は絶えず変化し、発展する。
この視点が、主体のアイデンティティや自己理解を構築する中心的な要素となる。

 

ドゥルーズにとって、視点は主体に依存せずに存在するものである。
つまり、視点は主体の存在に先立ち、主体が存在しない場合でも独自に規定される。
これは、視点が主体の外部に存在し、それ自体が独自のリアリティを持つという考え方を示している。

 

視点は、その視点を持つ主体が存在しなくても、それ自体が一つの独自の視点として認識されるべきだということである。
視点はそれ自体で独自の位置や観点を持ち、それが主体の存在によって初めて意味を持つわけではない。

 

視点が主体に先行して規定されるということは、主体が視点によって生成されるプロセスを示唆している。
主体は視点を通じて構成され、視点が先に存在しているからこそ、主体はその視点を通じて世界を経験し、自らを理解することができるのである。

 

例えば、
ある風景が特定の視点から見られるとき、その視点が存在するかどうかに関わらず、風景はその視点から見たときの特異なイメージを持つ。
視点は主体がその場所に立っていなくても、その風景を独自に規定している。
同様に、主体が存在しなくても視点はその独自性を持ち、主体がその視点を通じて自己を構成するための基盤となる。

 

つまり、視点は主体が現れる前から既に存在しているということである。
視点が主体を構成し、主体はその視点を通じて世界を経験し、自らを理解するようになる。
この意味で、視点は主体にとって先天的なものであり、主体の出発点となるものとなる。

 

視点は主体にとってガイドのような役割を果たす。
視点を通じて、主体は世界をどのように理解し、解釈するかを学ぶ。
このプロセスによって、主体は自分自身の独自性や特異性を発見し、それに基づいて自らのアイデンティティを形成するのである。

 

主体が視点を発見し、それに基づいて自己を形成するプロセスは一度きりではなく、継続的に行われる。
主体は異なる視点を見つけることで成長し、変化し続けるものである。
視点は固定されたものではなく、流動的であり、主体の経験や認識の変化に伴って新たな視点が現れることもある。

 

先行する視点が常に存在しているということは、諦めずにまだ見ぬ視点を探し当てようとする態度こそ、成長と変化をもたらす鍵となるのである。

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